叶わぬ恋だと分かっていても
緒川さんには、あれに気付いたことを悟られたくない。
なるべく不自然に見えないよう、身体の向きを自販機からほんの少し逸らしたところで、緒川さんが冷蔵庫から冷たい水のペットボトルを持ってきてくれた。
備え付けのグラスにそれを注いで手渡してくれながら、「平気?」と聞かれてコクコクとうなずいた。
ホッとしたようにそんな私の頭を優しく撫でてくれながら、緒川さんがポツンとつぶやく。
「――ねぇ菜乃香。キミの裸が見たいって言ったら……怒る? 菜乃香が嫌がることは絶対にしないって誓うから……。お願い。見せてくれないか?」
いきなりとんでもないことを要求された私はビクッとした拍子に手にしていたグラスを落っことしかけて。
「きゃっ」
服の上に盛大に水をぶちまけてしまった。
冷たさに思わず身をすくませたら、すぐさま緒川さんがバスルームからタオルを手に戻ってきてくれて、何も言わずに濡れたスカートに押し当ててくれる。
水気を拭き取るためにタオルが動かされるたび、布越しに太ももがこすられて意識してはいけないと思うのにゾクッとしてしまう。
なるべく不自然に見えないよう、身体の向きを自販機からほんの少し逸らしたところで、緒川さんが冷蔵庫から冷たい水のペットボトルを持ってきてくれた。
備え付けのグラスにそれを注いで手渡してくれながら、「平気?」と聞かれてコクコクとうなずいた。
ホッとしたようにそんな私の頭を優しく撫でてくれながら、緒川さんがポツンとつぶやく。
「――ねぇ菜乃香。キミの裸が見たいって言ったら……怒る? 菜乃香が嫌がることは絶対にしないって誓うから……。お願い。見せてくれないか?」
いきなりとんでもないことを要求された私はビクッとした拍子に手にしていたグラスを落っことしかけて。
「きゃっ」
服の上に盛大に水をぶちまけてしまった。
冷たさに思わず身をすくませたら、すぐさま緒川さんがバスルームからタオルを手に戻ってきてくれて、何も言わずに濡れたスカートに押し当ててくれる。
水気を拭き取るためにタオルが動かされるたび、布越しに太ももがこすられて意識してはいけないと思うのにゾクッとしてしまう。