叶わぬ恋だと分かっていても
お酒は媚薬だとどこかで聞いたことがあるけれど、本当にそうなのかもしれない。
「……んっ」
思わず漏れた声に自分でも驚いて口を塞いだら、「このままじゃ風邪ひいちゃうね」って見詰められて。
私はその、《《男を感じさせない》》落ち着いた声音に瞳を見開く。
――緒川さん、もしかして私が変な声出したの、気付かなかった?
そう思って恐る恐る彼を見つめたら、「どうしたの?」と小首を傾げられる。
その上で、再度何でもないみたいに「本当、《《キミが嫌がることは》》しないから」と重ねられて、私は熱に浮かされたみたいに「本当に……?」なんてバカなことを返してしまっていた。
緒川さんは私より15歳も年上だ。
だから、女の子の裸を見ても何かしたいとか思わないに違いない。
そんな自信があるから、裸を見るだけでいいって言えるんだ、きっと。
そんな風に思って。
30代も半ばを過ぎると性欲自体がなりをひそめて……もしかしたらエッチできなくなっちゃうのかも?
今まで彼氏ができてこんなに長いこと身体を求められなかったことはない。
それが、私にそう信じ込ませていた。
だって、20代そこそこの私は知らなかったの。
男性はいくつになっても、新しい女性を前にしたら、10代の男の子にも負けないぐらいエッチになるってこと。
四十路が近かろうと何だろうと、問題なく女性を抱けるってこと。
いいえ。そればかりか、寧ろ経験値が高い分、狡猾に女の子を誑かすことが出来るようになってるってこと。
「……んっ」
思わず漏れた声に自分でも驚いて口を塞いだら、「このままじゃ風邪ひいちゃうね」って見詰められて。
私はその、《《男を感じさせない》》落ち着いた声音に瞳を見開く。
――緒川さん、もしかして私が変な声出したの、気付かなかった?
そう思って恐る恐る彼を見つめたら、「どうしたの?」と小首を傾げられる。
その上で、再度何でもないみたいに「本当、《《キミが嫌がることは》》しないから」と重ねられて、私は熱に浮かされたみたいに「本当に……?」なんてバカなことを返してしまっていた。
緒川さんは私より15歳も年上だ。
だから、女の子の裸を見ても何かしたいとか思わないに違いない。
そんな自信があるから、裸を見るだけでいいって言えるんだ、きっと。
そんな風に思って。
30代も半ばを過ぎると性欲自体がなりをひそめて……もしかしたらエッチできなくなっちゃうのかも?
今まで彼氏ができてこんなに長いこと身体を求められなかったことはない。
それが、私にそう信じ込ませていた。
だって、20代そこそこの私は知らなかったの。
男性はいくつになっても、新しい女性を前にしたら、10代の男の子にも負けないぐらいエッチになるってこと。
四十路が近かろうと何だろうと、問題なく女性を抱けるってこと。
いいえ。そればかりか、寧ろ経験値が高い分、狡猾に女の子を誑かすことが出来るようになってるってこと。