叶わぬ恋だと分かっていても
 懸命に彼の切っ先が入り口を割るように狙いを定めて腰を落とすのだけれど、ぬるついた彼のモノは気持ちいいところを(かす)めるばかりでちっとも中に入ってきてくれないの。

 うまく入れられない度、彼の先端に敏感なところを擦られるから、そのたびに身体がビクッと跳ねて余計にうまくいかない。

菜乃香(なのか)、ちょっと待って……」

 何度かそれを繰り返していたら、見かねたようにたっくんの手が、自らの根元をグッと支えて動かないようにしてくれて。

「っ――!」

 私が少しずつ腰を下ろすのに従って、定まったたっくんの先端が私の隘路(あいろ)を彼の形に押し開きながら侵入してくる。

「んんっ……」

 ギュッとたっくんにしがみついて、ゆっくりゆっくり彼を飲み込んでいく私の腰に、たっくんの手が添えられて――。

「ごめん、菜乃香……、僕、もぉっ、待てないっ」

 謝罪の言葉とともに、腰に当てられた両腕にグッと力を込められて、一気に彼のモノを奥まで迎え入れた私は、それだけで軽くイッてしまった。

「ひゃ、ぁっ」

「菜乃香の中、すごく……うねって………締めつけて、くるっ」

 すげぇ気持ちいい……と吐息交じりにたっくんがつぶやくから。
 私はそれだけで満たされた気持ちになった。
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