叶わぬ恋だと分かっていても
なおちゃんが私の心配なんて知らぬげに、不動産屋さんとどんどん話を進めてしまうから……私は内心そわそわと焦ってしまった。
あれこれ思い浮かべていたらさすがに少し不安になって、「ちょっと待って欲しい」と彼の作業服の裾を引っ張ったら、「初期費用や当面必要な物なんかは俺が何とかするから気にするな。菜乃香は月々の家賃のことだけ考えていればいいよ」と頭を撫でられる。
「でっ、でもっ」
それではなおちゃんに負担がかかりすぎてしまう。
そう思って眉根を寄せたら、「ちょっと失礼」となおちゃんが不動産屋さんに声を掛けて、私を店外に連れ出した。
***
「なおちゃん……?」
何が何だか分からないうちに彼に手を引かれて付いてきた私は、不安になって恐る恐るなおちゃんを見上げる。
なおちゃんは私の方へ少し身を屈めると、「菜乃香が一人暮らし始めたいのって、俺のためでもあるんだろう?」って耳打ちしてきて。
私はそんなことなおちゃんには一言も言っていなかったから驚いてしまう。
あれこれ思い浮かべていたらさすがに少し不安になって、「ちょっと待って欲しい」と彼の作業服の裾を引っ張ったら、「初期費用や当面必要な物なんかは俺が何とかするから気にするな。菜乃香は月々の家賃のことだけ考えていればいいよ」と頭を撫でられる。
「でっ、でもっ」
それではなおちゃんに負担がかかりすぎてしまう。
そう思って眉根を寄せたら、「ちょっと失礼」となおちゃんが不動産屋さんに声を掛けて、私を店外に連れ出した。
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「なおちゃん……?」
何が何だか分からないうちに彼に手を引かれて付いてきた私は、不安になって恐る恐るなおちゃんを見上げる。
なおちゃんは私の方へ少し身を屈めると、「菜乃香が一人暮らし始めたいのって、俺のためでもあるんだろう?」って耳打ちしてきて。
私はそんなことなおちゃんには一言も言っていなかったから驚いてしまう。