叶わぬ恋だと分かっていても
「あ、あの――、でも、私……」
何もかもがよく分からないままにソワソワしながら言葉を紡ごうとする私を、緒川さんが不安そうに見つめてくる。
その視線がすごく痛くて、「でも、私」の先が出てこない。
本当は「好きかどうか分からないのでお付き合いは無理です」と続けるのがベストだと分かっているのに。
と、唇に触れていた緒川さんの指先が、不意に口の端に添わされた。
そうして「え?」と思う間もなく、ハーフアップにしていた、肩より少し長い髪の毛をギュッと掴まれて、顔を無理矢理上向かされる。
「やっ、――んっ!」
気が付くと、まるで断ることを許さないみたいに、またしても強引に唇を塞がれていた。
2度も、同意すら求められず奪われた唇に驚愕した私は、声を上げたと同時、すかさず口の端に差し込まれた指の真意に気付けていなくて。
今回のはさっきみたいな軽いキスではなくて、指のせいで出来た隙間を縫うように舌が侵入してくる、ディープキスだった。
何もかもがよく分からないままにソワソワしながら言葉を紡ごうとする私を、緒川さんが不安そうに見つめてくる。
その視線がすごく痛くて、「でも、私」の先が出てこない。
本当は「好きかどうか分からないのでお付き合いは無理です」と続けるのがベストだと分かっているのに。
と、唇に触れていた緒川さんの指先が、不意に口の端に添わされた。
そうして「え?」と思う間もなく、ハーフアップにしていた、肩より少し長い髪の毛をギュッと掴まれて、顔を無理矢理上向かされる。
「やっ、――んっ!」
気が付くと、まるで断ることを許さないみたいに、またしても強引に唇を塞がれていた。
2度も、同意すら求められず奪われた唇に驚愕した私は、声を上げたと同時、すかさず口の端に差し込まれた指の真意に気付けていなくて。
今回のはさっきみたいな軽いキスではなくて、指のせいで出来た隙間を縫うように舌が侵入してくる、ディープキスだった。