叶わぬ恋だと分かっていても
どの道、髪を束ねたままでは仰向けになった時、頭が痛くて外す羽目にはなったのだろうけれど、それを見越したように先回りするなおちゃんが、やはり手慣れた感じがして憎らしく思えたの。
なおちゃんは、私の首筋や額に汗で張りつくようにほつれた髪の毛を、手櫛で優しく梳きほぐしながら、耳にやんわりと掛けてくれる。
そうして剥き出しになった耳朶を唇で食まれて、クチュリと水音を響かせるように舌先で愛撫された私は、くすぐったさの中に混ざり込む快感に思わず首をすくめた。
「や、んっ」
小さく抗議の声を上げたら、「菜乃香のお母さんはピアスしてるの?」と指の腹先で耳をつままれる。
何てことのない仕草なはずなのに、どうしてなおちゃんがやると何もかもが私の身体をゾクゾクさせるんだろう。
「……し、てる、よ?」
それがどうしたというのだろう。
私自身、耳を飾ることに興味がないわけではない。
ちょっと前まではイヤリングはピアスより少し野暮ったいデザインのものが多かった気がするのだけれど、最近はイヤリングにも繊細なデザインのものが増えてきて、ピアス穴のない私にとって、すごく嬉しくて。
なおちゃんは、私の首筋や額に汗で張りつくようにほつれた髪の毛を、手櫛で優しく梳きほぐしながら、耳にやんわりと掛けてくれる。
そうして剥き出しになった耳朶を唇で食まれて、クチュリと水音を響かせるように舌先で愛撫された私は、くすぐったさの中に混ざり込む快感に思わず首をすくめた。
「や、んっ」
小さく抗議の声を上げたら、「菜乃香のお母さんはピアスしてるの?」と指の腹先で耳をつままれる。
何てことのない仕草なはずなのに、どうしてなおちゃんがやると何もかもが私の身体をゾクゾクさせるんだろう。
「……し、てる、よ?」
それがどうしたというのだろう。
私自身、耳を飾ることに興味がないわけではない。
ちょっと前まではイヤリングはピアスより少し野暮ったいデザインのものが多かった気がするのだけれど、最近はイヤリングにも繊細なデザインのものが増えてきて、ピアス穴のない私にとって、すごく嬉しくて。