叶わぬ恋だと分かっていても
*斜め上からの独占欲
「俺の言いつけを守って、毎日ちゃんと消毒して偉いね」
頭をふわりと撫でられて、私はご主人様に褒められた忠犬の気分でなおちゃんを見上げる。
「まだちょっと痛いかもしれないけど、毎日ポストを動かして消毒しなきゃダメだよ?」
あけてくれたピアスの穴の具合を確かめているからだろう。耳元で話すなおちゃんの吐息が耳を掠めて、私は思わず小さく吐息を漏らした。
「んっ」
「菜乃香は本当感じやすいよね」
途端くすくす笑われて、耳元の髪の毛を指先でくるくるともてあそばれる。
それがまたくすぐったくて……そこはかとなく気持ちいいの。
「菜乃香、可愛い。大好き。――ダメだって分かってても誰にも渡したくないって思う」
なおちゃんが熱に浮かされたような目をして私の身体を引き寄せると、あごを捕らえて貪るような口付けをくれる。
「んっ、ぁ、――なお、ちゃ……」
キスの合間を縫うように切なくなるぐらい愛しくてたまらない彼の名を呼べば、その言葉さえ逃したくないみたいに舌先で絡め取られた。
頭をふわりと撫でられて、私はご主人様に褒められた忠犬の気分でなおちゃんを見上げる。
「まだちょっと痛いかもしれないけど、毎日ポストを動かして消毒しなきゃダメだよ?」
あけてくれたピアスの穴の具合を確かめているからだろう。耳元で話すなおちゃんの吐息が耳を掠めて、私は思わず小さく吐息を漏らした。
「んっ」
「菜乃香は本当感じやすいよね」
途端くすくす笑われて、耳元の髪の毛を指先でくるくるともてあそばれる。
それがまたくすぐったくて……そこはかとなく気持ちいいの。
「菜乃香、可愛い。大好き。――ダメだって分かってても誰にも渡したくないって思う」
なおちゃんが熱に浮かされたような目をして私の身体を引き寄せると、あごを捕らえて貪るような口付けをくれる。
「んっ、ぁ、――なお、ちゃ……」
キスの合間を縫うように切なくなるぐらい愛しくてたまらない彼の名を呼べば、その言葉さえ逃したくないみたいに舌先で絡め取られた。