叶わぬ恋だと分かっていても
 熱に浮かされたようにそうつぶやいたら、なおちゃんが嬉しそうにクスッと笑った。


「了解。ね、菜乃香(なのか)、俺がキミの中に入れるよう、準備してもらえるかな?」

 耳朶をやんわり()まれて、耳に直接そう吹き込まれた私はトロンとした頭のままなおちゃんから避妊具を受け取る。

 そっと包みを破り捨てて、中から薄いラテックスの皮膜を取り出すと、なおちゃんの下着から固くなったモノを取り出した。
 やんわりとゴムの先端の突起を押しつぶして空気を抜くようにしながらなおちゃんの(たかぶ)りに当てると、所々に血管の浮いた屹立(きつりつ)に沿ってゆっくりと丸められたゴムを下げおろしていく。


菜乃香(なのか)、ゴムつけるの上手になったね」

 最初の頃はどう扱っていいのか分からなくて、なおちゃんに教えてもらいながらたどたどしく被せたのを思い出す。


「たくさん……した、から」

 言って、自分が口にした言葉の意味ににわかに恥ずかしくなって視線を逸らしたら、「回数を重ねてもところどころにそういう恥じらいが残ってるの、たまらなくそそられる」ってなおちゃんがつぶやいて。
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