叶わぬ恋だと分かっていても
菜乃香(なのか)、気持ち、い……?」

 すぐ耳元で問いかけてくるなおちゃんの声も、艶めいていて色っぽい。

「ぅんっ」

 小さくうなずきながらそう答えたら、なおちゃんが満足そうにフッと吐息をこぼしたのが分かった。

 顔は見えないけれど、きっとなおちゃん、笑みを浮かべているよね?

 なおちゃんはよく、自分がイケなくても、菜乃香(なのか)が気持ちよければそれでいいんだみたいなことを言うの。

 きっと今だってそう思ってるに違いないって直感した。


「なおちゃ……んっ、私、……もうっ」

 胸と下腹部に加えられる刺激だけで絶頂を迎えてしまいそうで。

「ひ、とりだけでイクのは、イヤ……っ」

 言った途端、足の間に挟まれたなおちゃんの分身が、一際硬度を増したのが分かった。

菜乃香(なのか)、ごめんっ。俺、お湯、汚しちゃうかもっ」

 言われて、なおちゃんもイキそうなの?って思って、私は嬉しくてキュンとなる。

 そっか。中に挿入(はい)れなくても、なおちゃんも一緒に気持ちよくなれるんだ。

 そう思ったら幸せな気持ちに満たされて、身体がふわりと温かくなった。
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