叶わぬ恋だと分かっていても
 その絡みで生き物は全般好きなのと言ったら、話が回り回ってなおちゃんと出会うきっかけになった公園緑地班で管理していた公園に捨て子されていた仔犬を、我が家で引き取ることになった。

 それはまだ私が公園緑地にいた頃。
 今から1半年くらい前の話。

 最初は里親さんが見つかるまでのお預かりの予定が、気が付いたらうちの子でいっか、って家族の意見が一致していた感じ。

 なおちゃんが白茶の仔犬を市役所に連れ帰ってくれたのを、私、ワクワクしながら見せてもらったんだっけ。


「あの時さ、菜乃香(なのか)膝丈(ひざたけ)しかないスカートなのに不用意にしゃがみ込んだだろ? 太ももがチラッと見えて、すごくドキッとさせられたのを覚えてる」

 それがきっかけで、私のことを女性として意識するようになったのだとなおちゃんが話してくれたのは、付き合い始めて結構経ってからのことだった。


 市内で花火大会がある日に拾った子だから、「ハナビ」という名前を付けて可愛がっている雑種の中型犬の女の子。

 実家に、元々飼っていた猫の他に若い白茶のワンコが1匹加わったのは、そういう経緯(いきさつ)から。


「ハナビを連れてくるの?」

 聞かれて、私はゆるゆると首を横に振った。
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