叶わぬ恋だと分かっていても
***

 お迎えするにあたって、私はフェレットを診られる動物病院をあちこち探して。

 予防接種なら出来ますよ、と言ってくれた市内の小さな動物病院を、とりあえずの主治医に定めることにした。

 それとは別に、副腎腫瘍の罹患率(りかんりつ)が高いことを知っていたから、もしもに備えて手術をしてもらえる病院を県外に見つけて。

「なおちゃん、この病院まで私でもたどり着けるかな?」

 その病院のホームページをスマホで見せたら、なおちゃんが「今度一緒に行ってみようか」って言ってくれた。

 診てくれる病院を確保してから、私は目星をつけていたセーブルカラーのパスバレーファームのフェレットの男の子を、空輸でお迎えした。

 フェレ飼いの間ではパスっ子と呼ばれているファームの子。
 フェレットを専門に扱っている小さなお店のホームページで見つけたその子に、一目惚れしていたの。

 準備が整うまでよその子にならないでいてくれたことを、私、心の底から感謝した。
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