叶わぬ恋だと分かっていても
*食欲よりも強く
福岡に着いたのは20時半前で、当たり前だけど外は真っ暗だった。
知らない土地にひとり。新幹線の中、荷物を手に通路を歩いている時はそんな不安でソワソワしたけれど、いざホームに降り立ってみると、なおちゃんが迎えに来てくれていて。
「え、うそ。なおちゃん……?」
何故ホームまで彼が?と瞳を見開いたら、「入場券でな」って何でもなみたいに言ってくれるの。
もちろん乗り込む前に何時に博多駅へ着く便かはLINEしていたけれど、きっと改札を出たところで待ってくれているんだろうと思っていたから、私、本当にビッっくりして。それと同時にすごく嬉しかったの。
「ほら、菜乃香は方向音痴だからな。どこの出口で待ってるって言っても、ちゃんとたどり着けるか心配だろ? だったらここで捕まえる方が得策だなって思っただけ」
言いながらくしゃりと頭を撫でられて。
「それに……デカイ荷物を持って構内をうろつくの、しんどいだろ」
って当然のように荷物を持ってくれるの。
出立の駅でえっちらおっちら荷物を運びながら、なおちゃんがいつも私を助けてくれていることを意識して切なくなったのを思い出した私は、胸がキュンと甘く疼いた。
知らない土地にひとり。新幹線の中、荷物を手に通路を歩いている時はそんな不安でソワソワしたけれど、いざホームに降り立ってみると、なおちゃんが迎えに来てくれていて。
「え、うそ。なおちゃん……?」
何故ホームまで彼が?と瞳を見開いたら、「入場券でな」って何でもなみたいに言ってくれるの。
もちろん乗り込む前に何時に博多駅へ着く便かはLINEしていたけれど、きっと改札を出たところで待ってくれているんだろうと思っていたから、私、本当にビッっくりして。それと同時にすごく嬉しかったの。
「ほら、菜乃香は方向音痴だからな。どこの出口で待ってるって言っても、ちゃんとたどり着けるか心配だろ? だったらここで捕まえる方が得策だなって思っただけ」
言いながらくしゃりと頭を撫でられて。
「それに……デカイ荷物を持って構内をうろつくの、しんどいだろ」
って当然のように荷物を持ってくれるの。
出立の駅でえっちらおっちら荷物を運びながら、なおちゃんがいつも私を助けてくれていることを意識して切なくなったのを思い出した私は、胸がキュンと甘く疼いた。