叶わぬ恋だと分かっていても
ヒクヒク呼吸を乱しながら言葉を紡いだら、「分かったからもう喋んな」って背中をトントンと優しく撫でられた。
***
なおちゃんと一緒にタクシーに乗って着いた先は、ビジネスホテルの一室で。
「さすがにさ、役所が取ってくれた部屋にお前連れ込むわけにゃいかねぇから……別に部屋取った」
研修自体は今日の夕刻までだったから、研修の終了と同時にその足で地元に帰る人間と、今夜もう一晩だけ過ごして観光を楽しんでから帰る面々とに別れたみたい。
私を呼び寄せるために直帰組に加わらなかった手前、ホテルの部屋はチェックアウトせずにそのまま残したなおちゃんだったけれど、厳密にいうと帰らないことを選択した職員の今夜以降の宿泊費自体は個人負担だからそんなには気にしなくていいらしい。
まぁ、だからといって、そのままその部屋に私を連れ込むのは、さすがになおちゃんでも憚られたらしい。
私のためになおちゃんが新しく取ってくれた部屋は、同じホテル内でも階が違うから、なおちゃんが私の部屋を訪ねても、居残り組の人たちと鉢合わせる可能性は低いみたい。
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なおちゃんと一緒にタクシーに乗って着いた先は、ビジネスホテルの一室で。
「さすがにさ、役所が取ってくれた部屋にお前連れ込むわけにゃいかねぇから……別に部屋取った」
研修自体は今日の夕刻までだったから、研修の終了と同時にその足で地元に帰る人間と、今夜もう一晩だけ過ごして観光を楽しんでから帰る面々とに別れたみたい。
私を呼び寄せるために直帰組に加わらなかった手前、ホテルの部屋はチェックアウトせずにそのまま残したなおちゃんだったけれど、厳密にいうと帰らないことを選択した職員の今夜以降の宿泊費自体は個人負担だからそんなには気にしなくていいらしい。
まぁ、だからといって、そのままその部屋に私を連れ込むのは、さすがになおちゃんでも憚られたらしい。
私のためになおちゃんが新しく取ってくれた部屋は、同じホテル内でも階が違うから、なおちゃんが私の部屋を訪ねても、居残り組の人たちと鉢合わせる可能性は低いみたい。