全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
『私、恋に落ちたみたい。……魁に会いたい』
今の素直な気持ちをメッセージに乗せて魁へ送った。
三日前に『もうちょっと考えさせて?』と言ったばかりで、あれはなんだったのかと問われたらなにも申し開きできないけれど。
思いきり恋をして傷つくのは怖いし、魁は元々大事な人だから、ダメになった場合は大きな痛手になる。
だけど、いつもポジティブ思考な由華さんと、自分の好きなことをしたらいいと言っていた美知留ちゃんを、少しは見習おうと思った。
魁のそばにいたい。
今はその気持ちを一番大切にしたくなったのだ。
夜になり、家に戻ってのんびりしていると、充電器に繋がれたスマホが電話の着信を告げた。
画面に表示されているのは魁の名前で、それを目にしただけで自然と口元が緩んだ。
『郁海!』
通話ボタンをタップしてスマホを耳に当てた瞬間、あわてたような魁の声が耳に届く。
「もしもし。お疲れ様。今帰り道?」
『うん。仕事終わってスマホ見たんだけど……あのメッセージはなに?』
電話の向こうがざわざわしていて、魁は今、外にいるのだとわかったのだけれど……。
メッセージ文の説明を求められても困る。あのままの意味なのだから。
今の素直な気持ちをメッセージに乗せて魁へ送った。
三日前に『もうちょっと考えさせて?』と言ったばかりで、あれはなんだったのかと問われたらなにも申し開きできないけれど。
思いきり恋をして傷つくのは怖いし、魁は元々大事な人だから、ダメになった場合は大きな痛手になる。
だけど、いつもポジティブ思考な由華さんと、自分の好きなことをしたらいいと言っていた美知留ちゃんを、少しは見習おうと思った。
魁のそばにいたい。
今はその気持ちを一番大切にしたくなったのだ。
夜になり、家に戻ってのんびりしていると、充電器に繋がれたスマホが電話の着信を告げた。
画面に表示されているのは魁の名前で、それを目にしただけで自然と口元が緩んだ。
『郁海!』
通話ボタンをタップしてスマホを耳に当てた瞬間、あわてたような魁の声が耳に届く。
「もしもし。お疲れ様。今帰り道?」
『うん。仕事終わってスマホ見たんだけど……あのメッセージはなに?』
電話の向こうがざわざわしていて、魁は今、外にいるのだとわかったのだけれど……。
メッセージ文の説明を求められても困る。あのままの意味なのだから。