全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
2.二十五歳の出来事と、彼の噂
***
「ここのオムライスおいしいね。玉子がふわふわ!」
「さすが人気なだけありますよね」
あれから二週間が経ち、今日は由華さんと昼休みに社外でランチを食べている。
会社の近くに新しいカフェがオープンし、そこのオムライスが絶品だとほかの社員たちのあいだで評判なので、由華さんとふたりで味を確かめにきたのだ。
「最近どう? 山路本部長、忙しそうだけど?」
セットでついてきたサラダをフォークでつつきながら、由華さんがなにげなく私に尋ねた。
抽象的な質問だが、会社での様子を聞きたいわけではないのだろう。
「実は、あれから会ってないんです。時折連絡は取ってますけど……」
「そっか。やっぱりこの前のことが引っかかってる?」
「ええ……まぁ……」
駿二郎との連絡は途切れたわけではないものの、元々頻繁ではなかったやり取りの頻度がさらに減った感じは否めない。
お子さんはもうすっかり元気になったようだ。
だけど彼はそれを私に報告したあと、当然のように奥さんやお子さんのことは一切口にしなくなった。
元々家族の話はしない人だから、不思議ではないのだけれど。
奥さんが二人目を妊娠した件は、結局彼から直接聞いていないし、なんだか私の心はスッキリしなくてモヤモヤが残ったままなのだ。
「ここのオムライスおいしいね。玉子がふわふわ!」
「さすが人気なだけありますよね」
あれから二週間が経ち、今日は由華さんと昼休みに社外でランチを食べている。
会社の近くに新しいカフェがオープンし、そこのオムライスが絶品だとほかの社員たちのあいだで評判なので、由華さんとふたりで味を確かめにきたのだ。
「最近どう? 山路本部長、忙しそうだけど?」
セットでついてきたサラダをフォークでつつきながら、由華さんがなにげなく私に尋ねた。
抽象的な質問だが、会社での様子を聞きたいわけではないのだろう。
「実は、あれから会ってないんです。時折連絡は取ってますけど……」
「そっか。やっぱりこの前のことが引っかかってる?」
「ええ……まぁ……」
駿二郎との連絡は途切れたわけではないものの、元々頻繁ではなかったやり取りの頻度がさらに減った感じは否めない。
お子さんはもうすっかり元気になったようだ。
だけど彼はそれを私に報告したあと、当然のように奥さんやお子さんのことは一切口にしなくなった。
元々家族の話はしない人だから、不思議ではないのだけれど。
奥さんが二人目を妊娠した件は、結局彼から直接聞いていないし、なんだか私の心はスッキリしなくてモヤモヤが残ったままなのだ。