全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「本部長はポジションそのままで、相手の女性だけ総務部に飛ばされたそうじゃないですか。なんか理不尽ですね」
「え?! それホント?」
なにか話がごちゃごちゃになって、嘘と真実が混ざってしまっている気がしてならない。
総務部に飛ばされたって、峰松くんは誰の話をしているのだろう? 私ではないのはたしかだ。
「なんかね、総務部の中でも雑用専門みたいな地味なところに異動させられたらしいです」
周りに聞こえないように考慮して、峰松くんが背中を丸めながら小さな声でささやくように私に話した。
「それ、誰?」
「営業部の土屋さんですよ。ふたりがホテルに入るのを見たって、誰かにリークされて。自分のそばに置いておくのは体裁がよろしくないから、本部長が総務部に飛ばしたんだろうってみんな言ってます」
「…………」
峰松くんの話をうまく飲み込めなくて、私はあんぐりと口を開けたまま放心してしまった。
それを見た峰松くんは「あきれますよね」と言いつつ苦笑いの笑みを浮かべている。
ちょっと待ってほしい。
駿二郎の恋人は私のはずだ。だから彼の社内不倫の噂を耳にしたときにも、私にも多大に責任があると感じて彼を心配していたのに。
頭が混乱しているとはいえ、今の話だとどう考えても、駿二郎と土屋さんは付き合っていることになる。
「え?! それホント?」
なにか話がごちゃごちゃになって、嘘と真実が混ざってしまっている気がしてならない。
総務部に飛ばされたって、峰松くんは誰の話をしているのだろう? 私ではないのはたしかだ。
「なんかね、総務部の中でも雑用専門みたいな地味なところに異動させられたらしいです」
周りに聞こえないように考慮して、峰松くんが背中を丸めながら小さな声でささやくように私に話した。
「それ、誰?」
「営業部の土屋さんですよ。ふたりがホテルに入るのを見たって、誰かにリークされて。自分のそばに置いておくのは体裁がよろしくないから、本部長が総務部に飛ばしたんだろうってみんな言ってます」
「…………」
峰松くんの話をうまく飲み込めなくて、私はあんぐりと口を開けたまま放心してしまった。
それを見た峰松くんは「あきれますよね」と言いつつ苦笑いの笑みを浮かべている。
ちょっと待ってほしい。
駿二郎の恋人は私のはずだ。だから彼の社内不倫の噂を耳にしたときにも、私にも多大に責任があると感じて彼を心配していたのに。
頭が混乱しているとはいえ、今の話だとどう考えても、駿二郎と土屋さんは付き合っていることになる。