全部欲しいのはワガママですか?~恋も仕事も結婚も~
「もしかして、それで俺を避けてた?」
「いや、避けてはないって」
ウソだ。私は距離を置くために、メッセージの返事は少々短かめにしていた。
魁はしょっちゅう写真を送ってきていたけれど、私はここのところまったく送っていない。
店舗勤務になって忙しいと言っておけば、それが都合のいい言い訳になると考えていた。
「俺がスケジュールを聞いたら、何度か既読スルーしただろ。あれ、けっこう傷ついた」
「……ごめん。それは認める」
どう返事をしたら自然に断れるのかを考えて……考えつかずにそのままにしていたことはある。
魁はめげずにそのあともメッセージを送ってきていたから、傷ついていたなんて思いもしなかったな。
「前に一緒に食事に行ったとき、魁は“がんばる”って言ったよね。今だって、私にアプローチしているみたいな発言だし……。正直、どういうつもりなの?」
「どういうって……ストレートにそのままだよ。俺、わかりやすいだろ?」
うぬぼれて勘違いはしたくない。だからこの際、腹を割って話したかったのだ。
お互い無意識に傷つけあうことがないように。
「郁海が好きだ。ガキのころの初恋とは比較にならないくらい、郁海に夢中だよ」
真剣な表情で射貫くように私を見つめる魁が、冗談を口にしたとは到底思えない。
だからこそ、「そんなバカな」と軽い口調では言い返せなかった。
「いや、避けてはないって」
ウソだ。私は距離を置くために、メッセージの返事は少々短かめにしていた。
魁はしょっちゅう写真を送ってきていたけれど、私はここのところまったく送っていない。
店舗勤務になって忙しいと言っておけば、それが都合のいい言い訳になると考えていた。
「俺がスケジュールを聞いたら、何度か既読スルーしただろ。あれ、けっこう傷ついた」
「……ごめん。それは認める」
どう返事をしたら自然に断れるのかを考えて……考えつかずにそのままにしていたことはある。
魁はめげずにそのあともメッセージを送ってきていたから、傷ついていたなんて思いもしなかったな。
「前に一緒に食事に行ったとき、魁は“がんばる”って言ったよね。今だって、私にアプローチしているみたいな発言だし……。正直、どういうつもりなの?」
「どういうって……ストレートにそのままだよ。俺、わかりやすいだろ?」
うぬぼれて勘違いはしたくない。だからこの際、腹を割って話したかったのだ。
お互い無意識に傷つけあうことがないように。
「郁海が好きだ。ガキのころの初恋とは比較にならないくらい、郁海に夢中だよ」
真剣な表情で射貫くように私を見つめる魁が、冗談を口にしたとは到底思えない。
だからこそ、「そんなバカな」と軽い口調では言い返せなかった。