Come Fly With Me
そりゃ、興味がないのは事実ですけど。

空港で働いている女性の中で王子に関心もなければ興味もないのは私だけだと思いますけど。

趣味のことしか頭にないから事実ですけど。

でも、
「話くらい聞きますけどって言う感じなんですけど…」

早足で家路へと向かいながら、私は息を吐いた。

「んっ?」

私は足を止めると、後ろを振り返った。

「何か視線を感じたような気がするんだけど…」

特に何かある訳ではない、見なれたいつもの光景が広がっているだけだった。

「気のせいか…」

そう結論をつけると、私は歩き出した。

…何か私以外の足音が聞こえないか?

追い越してもらおうと思いながら私はその場にしゃがみ込むと、スニーカーのひもを結び直しているフリをした。
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