Come Fly With Me
「えっ、何が?」

荒巻さんは首を傾げていたけれど、
「すみません、失礼しました!」

私はその場から立ち去ろうとした。

「ちょっと待て、自分から人にぶつかっておいてその態度はないだろ!」

荒巻さんは私の腕をつかんで止めてきた。

「そ、それは申し訳ないと思ってますけど…」

前を見なかった私も私で悪かったけど、すぐに逃げようとした私も私で悪かったけど…。

腕をつかまれた状態で後ろを見ていたら、
「何か訳があるみたいだな?」
と、荒巻さんは言った。

「訳と言うか…まあ、その…」

「わかった、話だけ聞こう」

「えっ!?」

荒巻さんは驚いている私を無視するように、その場から連行したのだった。

えっ、何で!?

まさかの展開に、私はどうすればいいのかわからなかった。
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