Come Fly With Me
荒巻さんに連行されるようにきたところは、最近この近所でオープンした紅茶専門店のカフェだった。

ここの日替わりサンドイッチが美味しいと評判だから近いうちに来店しようと思ってたんだよね。

店内に流れているピアノのBGMを聞きながらアップルティーを口にしていたら、
「まずは訳を話してもらおうか?」
と、荒巻さんはブラックティーを口に含んだ。

何か上から目線なのが嫌だな…。

“王子”と言われているから優しい性格をしているのかと思ってたけど…。

多少の期待外れを感じながら、
「実は…」
と、私は口を開いて事情を説明した。

「つまり、ストーカーにあっていたと言うことか?」

事情を全て聞いた荒巻さんはそう言った。

「もちろん、気のせいだとは思いますけど…」

私は返事をすると、乾いた喉を潤すためにアップルティーを口に含んだ。
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