Come Fly With Me
王子と称されている彼が実は…と、とんでもない秘密があるんじゃないかと思って冷や汗が出そうになりましたよ。

「まあ、要は告白を断る口実に使いたいから俺の妻になれ…と言うことだ」

「ああ、そう言うことですか…」

荒巻さんから事情を聞いた私は首を縦に振ってうなずいた。

「身を守るための方法としても使えるし、君…えーっと、名前は…?」

「宮脇です、宮脇詩歌です」

「宮脇さんにとっても悪い話ではないと思う」

身を守るためか…。

1人だともし最悪の場合に遭遇してしまったら対処できないだろう。

何か護身術を習っていた訳じゃないし、対策をしようにもどこから始めたらと言う感じだ。

「あくまでも形だけだ。

他に好きな人を作ってくれても構わないし、必要なこと以外は君に干渉しない」

荒巻さんが言った。
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