Come Fly With Me
「言われてみればそうか」

荒巻さんは「なるほど」と小さく呟いた。

いや、そうだと思うのですが。

変なのと心の中で呟くと、私は彼から離れた。

「あれ?」

リビングに顔を出すと、テーブルのうえに夕飯が並べられていた…と言うのはいつもの光景である。

今日はオムライスとマカロニサラダとコンソメスープだ。

「荒巻さん、まだ食べていなかったんですか?」

私1人で夕食を食べることが当たり前なので、彼の分がテーブルのうえに並んでいるのがとても珍しかった。

「さっき作ったばかりなんだ」

「ああ、そうですか」

そこへ私が帰ってきたと言うタイミングか。

そう思っていたら、荒巻さんは椅子に腰を下ろした。

「食べるぞ」

荒巻さんに声をかけられたけれど、
「その前に荷物を置いて手を洗ってきます」

私はそう言って彼の前から離れた。
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