Come Fly With Me
「うーん、ダメか…」

幼なじみの佐奈と琴美からのメッセージを確認した私は息を吐いた。

久しぶりに3人で外へ飲みに行きたかったけれど、ご時世もご時世だから仕方がない。

「まあ、リモートで会えるからいいんだけど…」

近いうちにリモートで会おうね…と、佐奈と琴美にメッセージを送るとスマートフォンをカバンの中に入れた。

そこから私が向かった先は、60階建ての高層マンションである。

ここの28階に、私たちが住んでいる部屋がある。

エントランスホールを通り抜けてエレベーターで28階に向かうと部屋の前に到着した。

カードキーを使ってドアを開けると、
「ただ今帰りましたー」
と、中に向かって声をかけた。

「おかえり」

そこから現れたのは、王子こと荒巻昴さんだった。
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