Come Fly With Me
別にこの人にアカウントを荒らされたとかコメントで何か変なことを言われたと言う訳ではない。

「何もないって言うのも怖いよね…」

画像を撮る時は基本的には家だし、場所を特定されないように気をつけているし、位置情報もオフにしているから心配ない…と思いたいけれど、常に危険と隣りあわせなことには代わりはない。

「今日は…スクラッチアートを投稿するか」

この間の休みに完成したばかりのスクラッチアートの画像を探すと、身元を特定されるようなものが写り込んでいないことを確認した。

「よし、アップ…と」

投稿できたことを確認すると、アカウントを閉じた。

「そもそも、荒巻さんと結婚するきっかけになったのはルシフェルさんなんだよね…」

私が“王子”と呼ばれる彼と結婚することになったのは、今から3ヶ月前のことである。
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