初恋ラストレター
 食欲が湧かなくて、夕食をほとんど残した。なにも手につかず、病院でのことを思い出してはベッドの上で啜り泣く。
 考えないようにするほど、余計に引き出してしまうのはなぜだろう。

 握りしめていたスマホが鳴って、虚な目を向ける。ぼんやりと眺める画面の先に、宮凪の文字が映った。
 飛び起きてみるけど、それが姉である空さんだったことに気付いて、少しだけ頭が覚めた。いつも分かりきった結果に期待して、バカみたい。

 開いたダイレクトメールには、URLが貼られているだけで、説明もメッセージもない。いきなり連絡されて、お姉さんからの印象もよくないだろう。

 ずっしりと重石が乗ったような体を起こして、もう一度目を凝らす。飛び込んで来たのは、『ウミノホタル』というアカウントのページだった。


 ひどいこと言って悲しませた。サイテーだ。でも、いつ悪化するか分かんねーし。この先泣かせるばっかで俺じゃ笑顔にできない。


 投稿されたのは、二時間ほど前。ちょうど私が病院を出た頃で、胸がざわつく。
 スクロールして下がっていくと、過去のツイートが残っていた。
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