こじらせ処女はイケメン御曹司で生まれ変わる
そして西尾が、ビールを飲む振りをする。

「残業……じゃないんだ。ちょっと野暮用。」

「なーんだ。残念。恋愛の話も聞きたかったのに。」


よかった。

今日飲みに行ってたら、散々詰められるかもしれなかった。

私は心の中で、”セーフ”と叫んだ。


時間は楽しい事があると、あっという間に過ぎてしまう。

気づけば退社の時間になっていた。

「お疲れ様。」

西尾や周りの同僚が、次々と帰って行く。

ふと宮下さんを見ると、デスクにいない!

「あれ?宮下さんは?」

宮下さんの隣のデスクに座っている人に聞いた。

「さっき帰りましたよ。デートなんですかね。ソワソワしてましたよ。」

やばい。

時間指定してなかったから、てっきりこの前と同じ、18時半辺りだと思っていた。
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