こじらせ処女はイケメン御曹司で生まれ変わる

「光里。」

その瞬間、二人同時にはぁーっとため息をついてしまった。

「よかった。光里に会えて。」

「私もです。」

私がエレベーターを降りると、宮下さんは私を抱き寄せてくれた。

「来ないかと思ってた。」

「そんな事……」

心配して、エレベーターの前で来るなんて、ちょっと可愛い。

そう思ったら、自然に宮下さんの事、ぎゅっと抱きしめていた。


「有難う、光里。でも、そろそろ行かないと、皆の視線がね。」

宮下さんの言葉に、私はハッとした。

「ごめんなさい。私ったら、周りをよく見てなくて。」

私は慌てて宮下さんから離れた。

そして周りから、ジロジロと見られている事に気づく。

「恥ずかしい。」

「気にしない、気にしない。さあ、映画観に行こう。」