雪のとなりに、春。
「なるほどな、ユキメ後輩とうまくいってないんだ?」

「っ!?」


視線を前に戻すと、信濃くんがニヤニヤしてこっちを見ていた。

信濃くんは雪杜くんのことを「ユキメ後輩」と呼ぶ。
「ゆき」もりなつ「め」だからなのだとか。


「う、うまくいってないわけではないんだけども……」

「カノが奈冷に不満抱くとか、何があったんだよ。ケンカか?」


隣から、頬杖をついている環くんも参戦してくる。


「不満でもないし、ケンカでもないんだけど……」

「なるほどな、全然奈冷が手出してこないから不安だと」

「あー、確かにユキメ後輩ががっつくところとか想像つかねえからな」

「そうなの……って、え、わあ!? なんでわかったの!?」


「「だいたいわかるわ」」と2人同時に突っ込まれ、うっと声を詰まらせた。


「わ、私ってそんなに魅力ない……かな」

「はあ?」


そ、そうだ。
この際、男の子から見た一般的な意見を聞いてみよう。


「私、去年に比べたらだいぶその、魅力アップしてる訳だし、少しはその、大人っぽい女性に……」

「ない」

「頑張ってかわいい止まり」

「う……」
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