雪のとなりに、春。
不思議な雰囲気をまとった店員さんに手招きをされるので、大人しく着いていく。
案内されたのは、先程この店員さんが座っていた場所だ。
色んな花が用意されてある。
「あー……ところで、渡す相手には何を伝えたいのかにゃ」
……「にゃ」?
店員さんの口調がいまいち安定していなくて、ペースが乱れるというか、気になってしまうというか。
「……何を、伝えたいか」
「そ。花言葉ってのがあるからネ」
聞けば、1種類の花にも本数や色によって全く違う花言葉になるらしい。
バラなんかは有名なんだそうだ。
引かれた椅子に腰掛けながら、目を閉じて好きな人のことを思い出す。
「いつもありがとう、っていう感謝の気持ちと、あとは」
雪杜くんが寂しくありませんように。
雪杜くんが楽しくありますように。
雪杜くんが。
「……幸せで、ありますように……」
店員さんはそれを聞いて、またも零れるように笑う。
本当に不思議な雰囲気だ。まだどんな人なのかつかめない。
「花を渡す時に、伝えるのが吉」
「え、い、今のをですか?」
面と向かって言うのはなんだか恥ずかしい気が。
そう続けようとしたけれど、店員さんが「そ」と一言でそれを許してくれなかった。
案内されたのは、先程この店員さんが座っていた場所だ。
色んな花が用意されてある。
「あー……ところで、渡す相手には何を伝えたいのかにゃ」
……「にゃ」?
店員さんの口調がいまいち安定していなくて、ペースが乱れるというか、気になってしまうというか。
「……何を、伝えたいか」
「そ。花言葉ってのがあるからネ」
聞けば、1種類の花にも本数や色によって全く違う花言葉になるらしい。
バラなんかは有名なんだそうだ。
引かれた椅子に腰掛けながら、目を閉じて好きな人のことを思い出す。
「いつもありがとう、っていう感謝の気持ちと、あとは」
雪杜くんが寂しくありませんように。
雪杜くんが楽しくありますように。
雪杜くんが。
「……幸せで、ありますように……」
店員さんはそれを聞いて、またも零れるように笑う。
本当に不思議な雰囲気だ。まだどんな人なのかつかめない。
「花を渡す時に、伝えるのが吉」
「え、い、今のをですか?」
面と向かって言うのはなんだか恥ずかしい気が。
そう続けようとしたけれど、店員さんが「そ」と一言でそれを許してくれなかった。