雪のとなりに、春。
「よし、今週末突撃するか」


やっぱりその流れだ!?


「おう。カノも行くか?」

「うん!!」


あああ!!
まずいよだめだよと思ってはいても、条件反射で元気よく返事をしてしまった。

なんだか雪杜くんを疑って、しかも試すようなことをしているみたいで、申し訳ない気持ちになる。


「まあほら、何もなさそうならそのままの流れで奈冷とデートでもしたらどうだ?」

「雪杜くんとデート!!」

「そうそ、お前らその調子ならろくに2人で出かけることもないだろ」


確かに環くんの言うとおりだ。

最後に出かけたのは、春休みに環くんが開いた展覧会の日。
あれ以来、雪杜くんと一緒にお出かけ……というかよく考えたら付き合ってからデートなんて1回もしてないんじゃない……!?


「……うん!!」


週末、雪杜くんの家に突撃することよりも、私の頭の中はすっかりデートのことで埋め尽くされてしまった。

できるだけ可愛い服を着て、できるだけメイクも気合いを入れて。

どこに行こう?
何をしよう?


不安な気持ちより楽しみがあっという間に勝利。


ちょっと強引な形になってしまったけど、休日に会えることが嬉しい。

よーし、とびきりオシャレしていくぞー!!
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