雪のとなりに、春。
――ガチャ
「!!」
雪杜くんからの返事を待たずに、玄関が静かに開けられる。
ひょっこりと顔を出したのは、奏雨ちゃん……の格好をした誰かだ。
学校で本物を見ているから分かる。
顔を見て確信した。
「さあ、上がって?」
この人は間違いなく奏雨ちゃんじゃない。
あんなに綺麗で可愛い奏雨ちゃんは、きっとこんなに不気味な笑顔は浮かべない。
上からギュウッと押しつけられるような恐怖に足がすくみそうになるけれど、なんとか一歩前に踏み出す。
「お、お邪魔します」
脱いだローファーを揃えて、小走りでリビングに向かう。
ドアを開けると、ソファーの背もたれに手をついてうなだれている雪杜くんの姿が真っ先に視界に飛び込んできた。
「雪杜くん!!」
「先輩、なんで来たの」
「ねえあの人誰!? 大丈夫!? 何もされてない!?」
「え」
私の言葉を聞いて、きょとんとした顔をする雪杜くん。
程なくして、彼の頭の上にはてなマークが浮かんだ。
「私わかるよ。あの人奏雨ちゃんじゃないよね!?」
絶対おかしい人だ。変態だ。
普通じゃない。
「!!」
雪杜くんからの返事を待たずに、玄関が静かに開けられる。
ひょっこりと顔を出したのは、奏雨ちゃん……の格好をした誰かだ。
学校で本物を見ているから分かる。
顔を見て確信した。
「さあ、上がって?」
この人は間違いなく奏雨ちゃんじゃない。
あんなに綺麗で可愛い奏雨ちゃんは、きっとこんなに不気味な笑顔は浮かべない。
上からギュウッと押しつけられるような恐怖に足がすくみそうになるけれど、なんとか一歩前に踏み出す。
「お、お邪魔します」
脱いだローファーを揃えて、小走りでリビングに向かう。
ドアを開けると、ソファーの背もたれに手をついてうなだれている雪杜くんの姿が真っ先に視界に飛び込んできた。
「雪杜くん!!」
「先輩、なんで来たの」
「ねえあの人誰!? 大丈夫!? 何もされてない!?」
「え」
私の言葉を聞いて、きょとんとした顔をする雪杜くん。
程なくして、彼の頭の上にはてなマークが浮かんだ。
「私わかるよ。あの人奏雨ちゃんじゃないよね!?」
絶対おかしい人だ。変態だ。
普通じゃない。