雪のとなりに、春。
***
「……んん……」
鳥の鳴き声がする。
ぎゅっと瞼に力を入れてから、手で目をこすって大きくあくび。
むくりと上体を起こして、やっと自分がベッドに突っ伏したまま寝てしまっていたことに気付いた。
もう朝になっていたみたいだ。
「……あれ……」
目の前に横になっているはずの雪杜くんの姿がない。
もう起きて大丈夫なのかな?
探しに行こうと立ち上がったとき、肩から何かがパサリと落ちた。
「!」
雪杜くんのパーカーだ!!
私はそれに気付いてすぐに拾い上げて、抱きしめるように顔を埋めた。
雪杜くんの匂いに癒やされながら、もう一度それを肩にかけた。
それから部屋を出ると、洗面室の方から水の流れる音がする。
ドアが空いていたので小走りで駆け寄り、ひょっこり顔を出してのぞき込んだ。
「……!」
少し大きめのロングTシャツに袖を通して、下はダボッと余裕のあるスウェット。
シャワーを浴びた後だったのか、淡い青色に染まった髪の毛は濡れていて、肩にかけられたタオルが襟足の水分を吸収していた。
私の気配に気付いた彼は、くるりとこちらを振り返って。
相変わらず紺色の瞳に一瞬でつかまるし、きゅんと胸がかわいらしく音をたてるのだ。
「おはお」
歯磨きをしながら、表情も変えずに一言そう呟く。
「……んん……」
鳥の鳴き声がする。
ぎゅっと瞼に力を入れてから、手で目をこすって大きくあくび。
むくりと上体を起こして、やっと自分がベッドに突っ伏したまま寝てしまっていたことに気付いた。
もう朝になっていたみたいだ。
「……あれ……」
目の前に横になっているはずの雪杜くんの姿がない。
もう起きて大丈夫なのかな?
探しに行こうと立ち上がったとき、肩から何かがパサリと落ちた。
「!」
雪杜くんのパーカーだ!!
私はそれに気付いてすぐに拾い上げて、抱きしめるように顔を埋めた。
雪杜くんの匂いに癒やされながら、もう一度それを肩にかけた。
それから部屋を出ると、洗面室の方から水の流れる音がする。
ドアが空いていたので小走りで駆け寄り、ひょっこり顔を出してのぞき込んだ。
「……!」
少し大きめのロングTシャツに袖を通して、下はダボッと余裕のあるスウェット。
シャワーを浴びた後だったのか、淡い青色に染まった髪の毛は濡れていて、肩にかけられたタオルが襟足の水分を吸収していた。
私の気配に気付いた彼は、くるりとこちらを振り返って。
相変わらず紺色の瞳に一瞬でつかまるし、きゅんと胸がかわいらしく音をたてるのだ。
「おはお」
歯磨きをしながら、表情も変えずに一言そう呟く。