雪のとなりに、春。
***
……私の、部屋だ。
何度目をこすっても、いつも寝て起きている自分の部屋の光景が広がっている。
もしかして、さっきまで雪杜くんと一緒にいたのは……夢?
少し油断すると、考えるのをやめてぼーっとしてしまいそうになる。
上体を起こして「思い出せ~」と自分に言い聞かせながら頭を振れば、ぐらりと強い眩暈に襲われて、またぼふっとベッドに身体を預けた。
「カノー、入るわよ?」
廊下から聞こえてくるお母さんの声すら頭に響いて、ズキズキと痛む。
雪杜くんと一緒にいて、ご両親に挨拶して、それで……。
「彼氏くん迎えに来たけど……やっぱりまだ無理そうね」
ドアの隙間からのぞき込んでいるお母さんが、そんなことを言っている。
雪杜くんが迎えに……? 何か約束してたかな。どうしよう思い出せない。
そもそも今日が何日で、何曜日なのかすらわからない。
「伝えておくわよー?」
「おか……お母さん」
声を出すだけで頭が痛い。それでも雪杜くんが来てるなら会いたくて、また上体を起こした。
身体のだるさや不快な重さはだいぶ楽になったけど、どうしても頭が痛い。
「少しだけ上がっていってもらう?」
「うー……」
頭が痛くて唸っていると、お母さんと入れ替わるようにして部屋に入ってきた人影。
それはベッドのすぐ近くまで来てくれて、それから膝をついて目線を合わせてくれた。
見間違えるわけがない。
大好きな雪杜くんだった。
……私の、部屋だ。
何度目をこすっても、いつも寝て起きている自分の部屋の光景が広がっている。
もしかして、さっきまで雪杜くんと一緒にいたのは……夢?
少し油断すると、考えるのをやめてぼーっとしてしまいそうになる。
上体を起こして「思い出せ~」と自分に言い聞かせながら頭を振れば、ぐらりと強い眩暈に襲われて、またぼふっとベッドに身体を預けた。
「カノー、入るわよ?」
廊下から聞こえてくるお母さんの声すら頭に響いて、ズキズキと痛む。
雪杜くんと一緒にいて、ご両親に挨拶して、それで……。
「彼氏くん迎えに来たけど……やっぱりまだ無理そうね」
ドアの隙間からのぞき込んでいるお母さんが、そんなことを言っている。
雪杜くんが迎えに……? 何か約束してたかな。どうしよう思い出せない。
そもそも今日が何日で、何曜日なのかすらわからない。
「伝えておくわよー?」
「おか……お母さん」
声を出すだけで頭が痛い。それでも雪杜くんが来てるなら会いたくて、また上体を起こした。
身体のだるさや不快な重さはだいぶ楽になったけど、どうしても頭が痛い。
「少しだけ上がっていってもらう?」
「うー……」
頭が痛くて唸っていると、お母さんと入れ替わるようにして部屋に入ってきた人影。
それはベッドのすぐ近くまで来てくれて、それから膝をついて目線を合わせてくれた。
見間違えるわけがない。
大好きな雪杜くんだった。