雪のとなりに、春。
9 先輩の、そういうとこ
*奈冷side*
「……チッ」
隣からあからさまな舌打ちが聞こえる。
……何回目か数えるのはさっきやめたばかりだ。
「なんでナツメがここに」
「こっちのセリフ」
このやりとりもたぶん4.5回目くらいだったと思う。
父さんに言われたとおり、放課後に総合病院に来た。
……ら、皐月がいた。
それでこのやりとりをしながら、お互い父親から誘われたんだろうと察して。
今に至る。
「チッ……」
理解はしたけど納得がいかない。
皐月のこの舌打ちは、そんなところだろう。
そんなに不機嫌をだだ漏らされると、さすがに俺もため息が漏れそうになる。
花暖先輩はやたらと皐月の肩を持とうとするけれど、やっぱり俺はこいつが苦手だ。
できることなら関わりたくない。それはずっと、小さい頃からずっと変わらない。
それでも先日の大事故の一件では、皐月にだいぶ助けられたところがあったのも確かだから無下にもできない。
父さんにも言われたけれど、あの人数を1人で捌くのはさすがに無理だった。
あの場の全員を救えたのは間違いなく隣に皐月がいたおかげだ。
ちゃんとわかってる。
わかってるし、認めてる。
きっと皐月ならいい医者になれる。
「……父さんが、オペ室前まで来いって」
「……チッ」
隣からあからさまな舌打ちが聞こえる。
……何回目か数えるのはさっきやめたばかりだ。
「なんでナツメがここに」
「こっちのセリフ」
このやりとりもたぶん4.5回目くらいだったと思う。
父さんに言われたとおり、放課後に総合病院に来た。
……ら、皐月がいた。
それでこのやりとりをしながら、お互い父親から誘われたんだろうと察して。
今に至る。
「チッ……」
理解はしたけど納得がいかない。
皐月のこの舌打ちは、そんなところだろう。
そんなに不機嫌をだだ漏らされると、さすがに俺もため息が漏れそうになる。
花暖先輩はやたらと皐月の肩を持とうとするけれど、やっぱり俺はこいつが苦手だ。
できることなら関わりたくない。それはずっと、小さい頃からずっと変わらない。
それでも先日の大事故の一件では、皐月にだいぶ助けられたところがあったのも確かだから無下にもできない。
父さんにも言われたけれど、あの人数を1人で捌くのはさすがに無理だった。
あの場の全員を救えたのは間違いなく隣に皐月がいたおかげだ。
ちゃんとわかってる。
わかってるし、認めてる。
きっと皐月ならいい医者になれる。
「……父さんが、オペ室前まで来いって」