離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
みんなを巻き込んでこんなに心配させて、結局勘違いだったなんて申し訳なさすぎる。
穴があったら入りたい。
私が自己嫌悪に陥っていると、忍さんが「よかった……」とつぶやいた。
「琴子が無事で、本当によかった」
心から安堵したような表情に、驚いて瞬きをする。
「忍さん、怒らないんですか? あんなに大騒ぎしてご迷惑をかけたのに」
「怒るわけないだろ。子供がいなかったのは、少し残念だけどな」
「残念って……」
どうして? 私の妊娠は彼にとってよろこぶことではないはずなのに。
混乱していると、看護師さんが「点滴の準備ができましたよ。こちらにどうぞ」と声をかけてくれた。
私が立ち上がろうとすると、忍さんが当然のように手を伸ばし体を支えてくれる。
「あ、ありがとうございます」
お礼を言うと、「足元に気をつけて」と優しくエスコートしてくれた。
用意してもらったベッドに横になり、腕に点滴の針を刺す。
「なにかあったら声をかけてくださいね」
看護師さんがそう言って、ベッドの周りのカーテンをしめた。
穴があったら入りたい。
私が自己嫌悪に陥っていると、忍さんが「よかった……」とつぶやいた。
「琴子が無事で、本当によかった」
心から安堵したような表情に、驚いて瞬きをする。
「忍さん、怒らないんですか? あんなに大騒ぎしてご迷惑をかけたのに」
「怒るわけないだろ。子供がいなかったのは、少し残念だけどな」
「残念って……」
どうして? 私の妊娠は彼にとってよろこぶことではないはずなのに。
混乱していると、看護師さんが「点滴の準備ができましたよ。こちらにどうぞ」と声をかけてくれた。
私が立ち上がろうとすると、忍さんが当然のように手を伸ばし体を支えてくれる。
「あ、ありがとうございます」
お礼を言うと、「足元に気をつけて」と優しくエスコートしてくれた。
用意してもらったベッドに横になり、腕に点滴の針を刺す。
「なにかあったら声をかけてくださいね」
看護師さんがそう言って、ベッドの周りのカーテンをしめた。