離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
いつも冷静な彼らしくない様子に、なにか私に知られたくないことでもあるんだろうかとずっと気になっていた。
私の言葉を聞いた岩木さんは、「あ、もしかして見られたくないのはあれですかね」と思い当たったようだ。
「なにかあるんですか?」
彼はスマホを取り出し、写真を見せる。
執務室のデスクの写真だ。
「副社長のデスクに妙なものがあるなと思って写真を撮っていたんです」
「岩木!」
忍さんが焦ったようにスマホを隠そうとしたけれど、その場にふさわしくない妙な愛嬌のあるぬいぐるみをみつけてしまった。
まるで小さな子供が頭からシーツをかぶったようなシルエットに、頭の上にふたつぴょこんと飛び出た耳のようなエラ。
そしてまん丸のふたつの黒い瞳。
これはもしかして……。
「メンダコのぬいぐるみ?」
忍さんが片手で顔を覆った。そしてそのまま黙り込んでしまう。
普通のぬいぐるみに見えるのに、なんでそんなに動揺しているんだろう。
「どうしてこれを見られたくなかったんですか?」
私がたずねると、観念したように口を開く。
私の言葉を聞いた岩木さんは、「あ、もしかして見られたくないのはあれですかね」と思い当たったようだ。
「なにかあるんですか?」
彼はスマホを取り出し、写真を見せる。
執務室のデスクの写真だ。
「副社長のデスクに妙なものがあるなと思って写真を撮っていたんです」
「岩木!」
忍さんが焦ったようにスマホを隠そうとしたけれど、その場にふさわしくない妙な愛嬌のあるぬいぐるみをみつけてしまった。
まるで小さな子供が頭からシーツをかぶったようなシルエットに、頭の上にふたつぴょこんと飛び出た耳のようなエラ。
そしてまん丸のふたつの黒い瞳。
これはもしかして……。
「メンダコのぬいぐるみ?」
忍さんが片手で顔を覆った。そしてそのまま黙り込んでしまう。
普通のぬいぐるみに見えるのに、なんでそんなに動揺しているんだろう。
「どうしてこれを見られたくなかったんですか?」
私がたずねると、観念したように口を開く。