離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
「瞬きするのも惜しいくらい綺麗だから、カメラをかまえてる暇なんてないよ。写真を撮るよりも、しっかり実物をこの目で見ておきたい」
私が真剣な口調で言うと、パティシエの男性が「ありがとうございます」とうれしそうに微笑んだ。
スイーツが完成し、目の前に出されたお皿を見下ろしてため息をもらす。
「どうしよう。綺麗すぎてフォークを入れられない」
ひとりで葛藤していると、「じゃあ俺が食べてやろうか」と忍さんがフォークをのばしてきた。
慌てて「だめ!」と彼を睨む。
「このケーキの美しさを堪能せずにいきなり食べちゃうなんてもったいない!」
「食べないほうがもっともったいないだろ」
「それはそうなんだけど……っ」
そんな言い合いをしていると、パティシエの男性が口を開く。
「美しいものを崩してしまう背徳感も、スイーツの魅力のひとつなんですよ」
その言葉に、「たしかに」と納得する。
「こんなに手の込んだ美しいものを、一瞬で崩して自分だけのものにしてしまうなんて、すごく贅沢ですよね」
「えぇ。ですから遠慮なく楽しんでください」
私が真剣な口調で言うと、パティシエの男性が「ありがとうございます」とうれしそうに微笑んだ。
スイーツが完成し、目の前に出されたお皿を見下ろしてため息をもらす。
「どうしよう。綺麗すぎてフォークを入れられない」
ひとりで葛藤していると、「じゃあ俺が食べてやろうか」と忍さんがフォークをのばしてきた。
慌てて「だめ!」と彼を睨む。
「このケーキの美しさを堪能せずにいきなり食べちゃうなんてもったいない!」
「食べないほうがもっともったいないだろ」
「それはそうなんだけど……っ」
そんな言い合いをしていると、パティシエの男性が口を開く。
「美しいものを崩してしまう背徳感も、スイーツの魅力のひとつなんですよ」
その言葉に、「たしかに」と納得する。
「こんなに手の込んだ美しいものを、一瞬で崩して自分だけのものにしてしまうなんて、すごく贅沢ですよね」
「えぇ。ですから遠慮なく楽しんでください」