離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
 彼は慣れた手つきで私の服を脱がしていく。
 あっという間に裸にされた。
 
 彼はまだスーツを着ているのに私だけが脱がされてる。
 
 恥ずかしくてうつぶせになって彼の視線から体を隠す。
 
「こら、焦らすなよ」
 
 忍さんは小さく笑いながら私の背中にキスをした。
 
「だって、忍さん手慣れてるから!」
 
 こんなにスムーズに服を脱がされるとは思っていなかった。
 
 そう文句を言っていると、柔らかい唇で背筋をなぞられた。
 
「んん……っ!」
 
 体中に甘い電気が走る。
 
「君はどこもかしこも綺麗だな。傷ひとつない白い肌も、絹のような黒い髪も」
 
 ささやきながらうなじを甘がみされ、体がはねた。
 
 その隙に大きな手が体とシーツの隙間に入りこみ、敏感な場所をそっとなでる。
 
「あ、あ……!」
 
 どうしていいのかわからなくて、ぎゅっとシーツを掴む。
 
 忍さんの長い指は容赦なく動き、与えられるはじめての快感に背筋が揺れる。
 
「んん……っ、忍さん……。待って、そこ……っ」
「ここがどうした?」
 
 忍さんは指をすべらせながら、意地悪な声で私に問いかける。
 
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