離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
 忍さんに出会えて本当によかった。

 たとえこの想いが実らなくても、もう二度と会えなくても、昨日という一日は私にとってとても尊い宝物のような時間になった。
  


 ビルの隙間から差し込む朝の光を浴びながら、私は背筋を伸ばして歩きだした。
 



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