離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
ここ一帯の都市開発を手掛けたのは上條不動産だと聞いていた。
そしてその責任者が、副社長である忍さんだそうだ。
創業者一族に生まれた御曹司とはいえ、まだあんなに若いのにこれだけの大規模な都市開発を手掛けるなんてすごい……。
自分の旦那様の有能さを実感して胸が高鳴る。
マンションの前の車止めで降りると、四十代くらいのスーツ姿の男性が私を待っていた。
彼は岩木さんといって、忍さんの秘書らしい。
髪をすっきりとうしろに流しフレームの細い眼鏡をかけた彼を見て、とても有能そうな人だなという印象を抱く。
「よろしくお願いいたします」と頭を下げると、岩木さんは微笑んでくれた。
「これからなにか困ったことがあれば、いつでも私にお申しつけください」
彼の物腰の柔らかさにほっと胸をなでおろす。
優しそうな人でよかった。
「岩木さんは忍さんの秘書なのに、私が頼ってしまっていいんですか?」
「もちろん。私は副社長が小さな頃から上條家にお仕えしてますので、半分身内のようなものですから。なんでも遠慮なさらずに」
そしてその責任者が、副社長である忍さんだそうだ。
創業者一族に生まれた御曹司とはいえ、まだあんなに若いのにこれだけの大規模な都市開発を手掛けるなんてすごい……。
自分の旦那様の有能さを実感して胸が高鳴る。
マンションの前の車止めで降りると、四十代くらいのスーツ姿の男性が私を待っていた。
彼は岩木さんといって、忍さんの秘書らしい。
髪をすっきりとうしろに流しフレームの細い眼鏡をかけた彼を見て、とても有能そうな人だなという印象を抱く。
「よろしくお願いいたします」と頭を下げると、岩木さんは微笑んでくれた。
「これからなにか困ったことがあれば、いつでも私にお申しつけください」
彼の物腰の柔らかさにほっと胸をなでおろす。
優しそうな人でよかった。
「岩木さんは忍さんの秘書なのに、私が頼ってしまっていいんですか?」
「もちろん。私は副社長が小さな頃から上條家にお仕えしてますので、半分身内のようなものですから。なんでも遠慮なさらずに」