離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
琴子はなんとか平静を装ってはいたが、俺がここにいることに驚き、そして拒絶しているのが伝わってきた。
惹かれていたのは自分だけで、彼女は俺との再会を望んでいなかったんだと思い知らされた。
話を聞いた岩木はため息を吐く。
「なるほど。偶然出会って一日一緒に過ごして彼女に惚れてのぼせ上ったけれど、再会したときに微妙な反応をされたからすっかり臆してしまったと」
あきれ返った表情で「なんて情けない」と言い捨てられ、さすがにむっとした。
「別に臆したわけじゃない」
「思いきり臆してるじゃないですか」
「さっきの琴子の様子を見たか? 彼女が落とした紙袋を拾ってやろうとしたら、触れられるのもいやだというように慌てて自分で拾って……」
「気にしすぎでは」
「だって考えてみろ。彼女は寝てる俺を置いてなにも言わずに帰ってしまった。ということは、きっと俺とのデートに満足できなかったんだろう。もう二度と会いたくないと思って、連絡先も交換せずに帰った。それなのに、そんな男と結婚させられることになったらどう思う?」
「それは最悪ですね」
「だろう?」
惹かれていたのは自分だけで、彼女は俺との再会を望んでいなかったんだと思い知らされた。
話を聞いた岩木はため息を吐く。
「なるほど。偶然出会って一日一緒に過ごして彼女に惚れてのぼせ上ったけれど、再会したときに微妙な反応をされたからすっかり臆してしまったと」
あきれ返った表情で「なんて情けない」と言い捨てられ、さすがにむっとした。
「別に臆したわけじゃない」
「思いきり臆してるじゃないですか」
「さっきの琴子の様子を見たか? 彼女が落とした紙袋を拾ってやろうとしたら、触れられるのもいやだというように慌てて自分で拾って……」
「気にしすぎでは」
「だって考えてみろ。彼女は寝てる俺を置いてなにも言わずに帰ってしまった。ということは、きっと俺とのデートに満足できなかったんだろう。もう二度と会いたくないと思って、連絡先も交換せずに帰った。それなのに、そんな男と結婚させられることになったらどう思う?」
「それは最悪ですね」
「だろう?」