先輩といろどる恋。˚✩
付き合っても風子はずっと変わらなく真っ直ぐで安心した。
今まで告白されて面倒そうじゃないやつと付き合っても面倒なやつになってたから。
なんてこんな俺が真剣に風子との関係のこと大切にしてるのに、風子が違う客の相手に行った隙に一颯くんとやらが睨んできたのだ。
「七海のこと遊びなんじゃねーの」
「え?」
「お前みたいにモテるやつのことなんて信じらんねぇ。」
睨んで突然そう言い放つ一颯くん。
やっぱり一颯くん、風子のこと好き?
前風子から話を聞いた時ももしかしてとは思ったけど、今日の態度で確信した。
むしろそれの対抗みたいな感じで風子とか呼び捨てで呼んで俺も小さい男みたいなこと初めてしたわ。
でもなんかそれは面白くないな。
風子のこと好きなのは俺だけでよくね?
なんて柄にもないことを思う俺を睨んだまま去っていく一颯くんを見届けたあと、トラがクスッと笑った。
「ナギが嫉妬してるの初めて見たよ」
「嫉妬?」
「そうでしょ?
一颯くんにあんな言われてムッとしてたでしょ?」
「……さぁ」
図星。
嫉妬なんてものを彼女にするなんて人生で初。
「ナギくんはもっと自分に素直になってふーちゃんをデレデレに甘やかしていいと思うよっ!」
「そんなことするわけない」
「どうしてっ?
ふーちゃん素直でいい子だしこれまでモテなかったのが不思議なくらい可愛らしいよっ?
一颯くんもクールっぽい雰囲気少しナギくんに似てたしうかうかしてたら取られるかもねっ?」