先輩といろどる恋。˚✩
人がいないかきょろきょろと見回したあと、心遥はゴソゴソとポケットを漁り
なにやら細長いものを見せてきた。
「妊娠したっぽいんだ」
「え?」
「それは予想外すぎるぅ〜」
妊娠??
細長いものには線が付いていて、これが噂に聞く妊娠検査薬だということを理解する。
誰と、なんて聞くまでもなくトト先輩なのは分かるけどどう言っていいか…。
「避妊しなかったのぉ〜?」
「うん。最初何回かはしてたけど、私がもっとトトくんを感じたくてしないでって言ってからはしてない」
「中に出したのぉ〜?」
「うん。」
「それは2人の責任だよぉ〜、逃げるとかこんなはずじゃなかったとか言っちゃだめだよぉ〜。」
なんだか生々しい話に口を出せない私は2人のやり取りを見守る。
瑠璃佳の言うことは最も正論だけど、こんな時正論言われたらきついのかな?なんて心配しながら心遥を見ると
意外と心遥も穏やかな顔をしていた。
「別に堕ろすとか考えてない。
出来たら産むとは思ってたし。
でも、トトくんは舞台俳優目指してるから邪魔したくないんだ」
しっかりとした意志の心遥は心配そうに顔を歪ませるが、瑠璃佳ははぁ、とため息を着く。
「2人の責任っていったよねぇ〜?
夢があるなら無責任なことしないのが普通でしょ〜?
だったらトト先輩も夢だ何だ言わせちゃだめだよぉ〜」
こういうことには厳しい対応の瑠璃佳は意外だと思いつつ、瑠璃佳からケータイのメッセージにトト先輩呼んでと来ていて急いで私はトト先輩にメッセージを送る。