先輩といろどる恋。˚✩
「心遥、高校1年生だよぉ?16歳。
そんな心遥が子供産んだなんて世間は厳しい目で見てくるんだよぉ〜?
子供のためにも心遥とトト先輩はしっかりしないとだよぉ。
産んで立派に育てなきゃだけど、それが中途半端ならやめた方がいいよぉ。」
瑠璃佳の厳しい言葉はちゃんと心遥を思ってるからこそ。
だって瑠璃佳はどうでもいい人にはニコニコと相手が求めることしか言わないもん。
それがわかってる心遥は尚更何も言えなく黙り込んだ。
その時、後ろからトントンと足音がしてトト先輩達が姿を現した。
「と、トトくん…」
「険悪な雰囲気だねっ?どうしたのーっ?」
呑気ないつもの可愛らしい話し方で話しかけてくるトト先輩を瑠璃佳は睨む。
「心遥、妊娠したらしいですぅ。
舞台俳優になるのが夢だかなんだか知りませんけどぉ、責任とってくださいねぇ?」
少し怒った様子の瑠璃佳の言葉にトト先輩はもちろん、トラ先輩も凪桜先輩も目を見張った。
「妊娠っ?」
「あなたがぁ、避妊もせず中出ししたから妊娠したんですよぉ。
どうするつもりですかぁ?」
トト先輩を睨んだままの瑠璃佳はそう言うとトト先輩を心遥の隣に並べるように腕を引っ張る。
「自分たちの幸せなんて後回しですからねぇ?
子供が幸せになれる選択肢を見つけてくださいねぇ?
ガッカリさせないでください!じゃ!」
キッパリと言い切ると、瑠璃佳は踵を返して歩き出してしまう。
「る、瑠璃佳!」
「俺に行かせて?」
「えっ!」
瑠璃佳を追いかけようとした私を止めて走ったのはトラ先輩。
別れたんじゃなかったの…?
そんな訳わかんない状況に首を傾げたが、まずは心遥たちの問題だよね。