先輩といろどる恋。˚✩
重苦しい雰囲気を破ったのは、トト先輩だった。
「おめでたいよっ!絶対僕と心遥の子供なら可愛いもんっ!
もし良かったら産んで欲しいなっ!会いたいよっ!」
そう、重苦しい空気とは裏腹に明るい声で笑顔でトト先輩は心遥にそう言った。
でも元がネガティブな心遥は困った顔をする。
「でも、舞台俳優になるって夢が…」
「そんな夢捨てられるくらい僕は心遥と一緒にいたいよっ?」
「トトくん…」
なんて素敵なんだ…可愛いキャラだけど男気もあるしちゃんと責任も取ろうとするその姿が当たり前だろうけど素晴らしくて
私が良かったと胸を撫で下ろすも、隣の凪桜先輩は声を上げた。
「いい感じの雰囲気だけど、16と17じゃ結婚できないけどそこはどーすんの」
あ、そうか。
あと1年待てばいけると思ったけど、法律変わったんだ。
凪桜先輩の現実的な言葉に2人は顔を見合わせてうーんと唸る。
「とりあえず私は学校やめて通信にする。
トトくんはちゃんと卒業して。将来のためにも」
「そんな…僕も働きながらで通信にするよっ!」
「ううん、私も妊娠しただなんて言わずに学校辞めるから、トトくんも子供できるの隠し通して。
卒業する時また考えよう。どうせ結婚まだ出来ないんだし」
「でもっ!」
「大丈夫。心が繋がってるなら私は我慢できるから」
先程まで悩んでいたのが嘘かのようにスッキリと決意に満ちた顔をしている心遥。
その姿に私はすごいな、と感動した。