先輩といろどる恋。˚✩
なんてことを思いながらトラ先輩について行くと、カラオケに到着した。
「カラオケですかぁ〜」
「なんか歌いたい気分になったんだ」
クスッと笑うトラ先輩は相変わらず何考えてるか分からない。
トト先輩は何考えてるかまぁわかりやすい。
ナギ先輩も分かりにくいけど不気味ではないしちゃんと聞けば言葉にするし嫌なものは嫌ってはっきりしてる。
でもトラ先輩はいつも穏やかに笑って何考えてるかわからなくて何が嫌なのか嬉しいのかも分からない。
ちょっと不気味。
そんな人と少しでも付き合ったけど何もせず終わったよね。
ただ優しいのか怖いのかも分からない不気味な人という印象しかない。
「ルリちゃんは優しいよね」
「え?」
「ハルちゃんとトトのためにあんなに怒れて、ふーちゃんとナギのために身を引いて。
優しくないと出来ないよ。少なくとも俺にはできないから凄いな。」
突然褒められてルリはどんな顔をしていいのか分からないからとりあえず笑っとく。
どんな意図でその言葉を発してるのかも分からないし。
「俺は割と昔から他人に興味無いから怒るとかその人のために何かするとか余程じゃないとしないから。
だからすごく人間味のあるルリちゃんは興味があるよ」
そんなふうに思われてたんだ。
なんて今まで言われたことの無い興味の視線を向けられていたことにルリは悪い気はしない。