先輩といろどる恋。˚✩
そんな脈ナシだってわかってるのに、いざ目の前にしてみるとルリの中にはやっぱり好きだって気持ちしか湧いてこない。
「ナギ先輩、風子と付き合う前だったらルリと付き合ってくれてましたかぁ?」
「はは、想像もつかないね」
「と、いいますとぉ?」
「もしかしたら、なんて想像したこともないから」
やっぱり。
こんなにルリのアプローチが手応えないなんて初めてなんだけど。
でもこの鉄壁を超えたい、ルリにデレデレになって欲しい。
ナギ先輩の顔を見てるともうそれしか出てこなくて、ルリの頭の中からは風子の存在が消えてしまった。
「ナギ先輩、ルリと付き合ってください〜!
ルリ、人生で初めて自分から人を好きになりましたぁ〜」
そんな告白の言葉を口に出すと気分はスッキリしてなんて楽なんだろうと思う。
「ごめん、俺風子と付き合ってるから」
「風子のこと好きなんですかぁ?
ルリだってナギ先輩をルリに夢中にさせられますよぉ?」
「ないね。
俺だってこんなに一人の女の子を欲しい、守りたい、隣にいたいって思ったの初めてだから。
きっとこれから先も変わらないと思うから諦めて」
ルリの告白に全く考える隙もなくそう言い切る先輩はかっこよかった。
それと同時に本当に風子のこと好きになってくれたんだなぁなんて嬉しい気持ちも湧いてきて
その後に大好きな風子を裏切ってしまった罪悪感が押し寄せてくる。