先輩といろどる恋。˚✩
春休み
心遥の妊娠がわかってから数ヶ月。1年も終わり春休み。
心遥はあれからすぐに退学して通信に通うことになった。
心遥の親御さんもトト先輩の親御さんも最初は反対してたみたいだけど、最後は2人がしっかり責任もってやるならと話は落ち着いたらしい。
とりあえず2人は一緒に住んでいて、トト先輩は学校を卒業したら就職する。それまでは親の援助で生活していくらしい。
なるようになって良かった。
瑠璃佳とトラ先輩は相変わらず仲良しだし、私と凪桜先輩も手を繋ぐしかまだできずデートを繰り返している。
ちなみに初のクリスマスもバレンタインも行事ごとは全てバイトで過ごすことは出来なかった。
そんな日々の中で、今日も凪桜先輩とデートに行こうと家を出ようとしたところでお母さんの彼氏のヒロシさんと出くわした。
「なに?デート?」
「あ、はい!」
「へー。お小遣いやろっか?」
「え、いえ!大丈夫です!」
お母さんは夜仕事行くために睡眠中みたいで、ヒロシさんと2人で話すなんて今までなかったから緊張。
でも意外と話すと悪い人ではないかも…?
「いーよいーよ、ほら」
「でも…」
「お母さんにはナイショな」
ヒロシさんは断る私の手に1万円札を握らせてお風呂場へと歩いていってしまう。
なんか…他人のあの人にお金もらうのは嫌だけどそれを返すのも違うよね…とりあえず使わず取っておこう。
「あの、ありがとうございます」
「おー、彼氏とそれでちょっといいホテルにでも行けよー」
私のお礼にそんなことを言うヒロシさんに私は何も言い返さず家を出た。
ホテルだなんて。
毎日お母さんとヒロシさんの卑猥な声がリビングから夜中にするからほんと嫌。
それなのに私が隠れるように暮らさなきゃいけないのも辛い。
そんな少し憂鬱な気持ちで待ち合わせ場所に向かうと、何故か凪桜先輩と一颯くんが居た。