先輩といろどる恋。˚✩
「おにーちゃん風子ちゃんに学年末も1位取られて悔しかったって言ってて、でも風子ちゃんはいい子なんだーって。
今までおにーちゃん女の子の話したこと無かったから紫吹より好きなの?って喧嘩になったの。それで家出しちゃった」
え、何その可愛い喧嘩!
明かされた喧嘩の原因に関わっていたのは申し訳ないけど、可愛い喧嘩すぎて癒される。
「でも、風子ちゃん優しくて可愛いから紫吹も好き。
風子ちゃん、おにーちゃんと結婚してよ!」
「えぇ!?」
謎に気に入られてしまった私は小学生相手にどこまでどう言っていいか分からない。
絶対結婚とか付き合うくらいの感覚で言ってるだろうし…。
それに一颯くんから人見知りって聞いてたけどそんなことなさそう??
「おにーちゃんお友達も彼女もいないから風子ちゃんがどっちにもなってあげて?」
「んーっと、私はお友達だよ!彼女はそのお互いの気持ちがあるからなれないかな…」
「そっか…紫吹おねーちゃん欲しいから風子ちゃんみたいな子がいいな」
「あはは、ありがとう!」
なんでこんなに初対面でほぼ話したことないのに懐かれるのかは分からないけど、悪い気はしない。
「紫吹、家出したらいいけど迷って帰れなくなったの」
それは大変だ。確かに隣町の端っこまで来ちゃったら小学生じゃ帰れなくなっても仕方ないよね。
「それじゃあおにーちゃんのとこに行こっか!」
「うん!」
こんなに美少女誘拐されなくてよかったと思いながら、紫吹ちゃんが繋いでくる手を取って私達は帰路に着いた。