先輩といろどる恋。˚✩
「あの!どこか行きませんか?」
「どこか?」
「えっと…ちょっといいホテルとか!」
退屈させてしまった凪桜先輩に少しでも今日がいい日だったと思って欲しくて提案したものの、何も思い浮かばなくて今日朝ヒロシさんから言われたことをそのまま言ってしまう私。
これじゃまるで変態みたいだ。
「ち、違うんですよ!?ゆっくり休みながらトランプとかして遊んだり!みたいな!!」
先輩とだったらそうなっても全然いいし、むしろ瑠璃佳達からは我慢させすぎと言われてるくらいだし。
そうなった時はそうなったで…なんて思いながら言葉を続けると、先輩は少し悩んだ顔をしたあと口を開いた。
「ホテルじゃなくて俺ん家でいいんじゃない?
今日親いないし」
その言葉に私はドキドキと心臓が高鳴り始める。
先輩の家に行けるなんて最高だけどめっちゃ緊張…!しかも親がいないとな!
自分から誘っておいてなんだけど心の準備が…。
「無理そうなら別にどっか外で時間過ごしていいよ」
優しい気遣いの言葉に感動するも、私は先輩のこと大好きだし先輩もっと私の事好きになって欲しい。
だからここの答えはYES!
「いえ!行きます!行かせてください!」
「はは、じゃ、行こうか」
そう言って私の手を取り歩く先輩の半歩後ろを歩きながら、ドキドキとなる心臓に静まれと願い続けたのだった。